Hokkaido Marine Products Grading Corpration

格付事業の概要

格付事業の概要

格付事業とは

 当協会の行う格付事業は、道内の漁業生産者が製造する「こんぶ製品」の検査・格付及び生産技術の指導を業務として実施するものです。こんぶ製品は、その生産量(乾燥製品)が約1万5,000トン前後と、国内生産量の90~93%を占め、正に北海道漁業における基幹的な水産製品であり、また豊富な栄養価をもち健康食品として高い評価を得ております。その流通は全国津々浦々に亘っており、日本食文化の原点とも称され、日本の食生活にとって貴重な食材となっております。

こんぶの生産

 こんぶの生産には、道内漁業経営体数の半数が従事し、漁村社会・経済を支え維持していくうえで重要な役割を持つものと位置付けられております。こんぶは、採取の後、殆どが乾燥製品として製造・流通されますが、他の水産物と異なり“漁家一貫加工品”という特異性を有しており、また、こんぶの格付・検査の歴史は極めて古く、明治初期から行われ幾多の変遷を経て今日に至っております。

こんぶ検査・格付の歴史

 当協会は、昭和56年に民営の検査機関として設立されましたが、それ以前は北海道庁直轄の検査が行われており、言わば官営から民間へ検査体制の移行が図られたものです。この民営化は、漁業者団体の一つとして社団法人組織を立上げ、国の登録格付機関として認可を受け、更には北海道条例の下で民間による検査体制が再整備されたものです。その後、JAS規格(日本農林規格)の廃止、北海道条例の廃止がありましたが、平成17年に北海道の定める「北海道こんぶ製品の規格標準及び格付機関の登録に関する基準を定める要綱」による登録格付機関として認可され、新たな格付・検査業務が開始されました。この「要綱」による登録格付機関は、現在、当協会が唯一であり、その業務を推進しているところであります。

検査・格付の必要性

 こんぶ製品は、漁業生産者が個々に製品化すること、個々が製造する単位が少量であり個別ブランドとしての流通には限界があること、流通に当たっては漁協への出荷・共同販売によって経済的な優位性が維持できること、など製造及び流通面においては、品質・規格・表示等の統一や品質向上等を図っていくことは重要なものとなります。一方、需要者サイドからは、昆布の品種、品質が生産地域よって多種多様でその格差も大きく、利用・加工する上で産地・銘柄・等級等について適正かつ統一的な品質区分と表示がもとめられること、漁業生産者個々による製造であるため品質区分の判断や均一化に困難性が伴うこと、などから第三者機関による検査によって品質・表示等の一定の保証が必要となります。
 こうした認識により、細部に亘る規格基準の設定、基準に基づく等級格付をおこなう検査制度が基本的かつ有効なものとして、歴史的に営々と機能してきました。従って、こんぶの検査・格付は、漁業生産者はもとより、流通加工・加工メーカー等の需要者にとって、こんぶの生産から流通に至る過程のなかで重要かつ不可欠なものとして評価され、維持されてきております。

当協会の役割

 こうした状況の中で、本事業は北海道において生産されるこんぶ製品の検査・格付並びに生産技術の指導を行っております。このことによってこんぶ製品の品質・表示等の改善や向上、昆布取引・流通の公正性及び円滑性の確保、利用・消費に当たって食品としての安心・安全性の提供などを実現しております。こうした事業の実施によって、こんぶ漁業における生産基盤の恒常的な発展、併せて広範な流通において重要となる安定的な品質の確保を図ることにより、公共の福祉に寄与しております。

業務の内容

 業務は、現在、札幌市及び道内4ヶ所に事務所を配置し、19名の専任格付員により検査・格付業務を実施しておりますが、こんぶ漁業生産者から所属する漁協への検査申請に基づき、漁協の協力と連携により各こんぶ漁業生産者の作業場や保管場所での個別検査を実施しております。
 事業の実施に当っての財源は、漁協が昆布漁業生産者から検査・格付数量に応じ検査料として徴収・集約し、当協会へ納入して頂いており、その料金体系(製品1kg当りの単価)は実費を弁償する程度に設定しております。
 こんぶ生産は、近年、減産傾向が続いておりますが、こんぶの生態上、ほぼ隔年で好漁・不漁を繰り返し、また、台風・低気圧といった自然状況に大きく影響を受けている実態があり、年度によって格付数量が大きく変動しています。このため、経営的な収支面は不安定な推移となっておりますが、こうした減収を補填する財源や、著しい経済変動によって生じた経費を充当する事を目的に運営安定基金の積立を行い、この様な事態を回避し経営の安定化を図っております。

事業の社会的責任

 このように、格付事業は、直接的には主としてこんぶ漁業生産者を対象に実施しますが、一定の規格基準により品質の均一化・統一化や改善・向上を図り、また食品表示の適正化も図りながら実施しています。このことによって、こんぶ製品の流通に当たって取引の公正性や円滑性に効果が発現されていること、また、使用するメーカーあるいは末端の消費者にとっても食品としての安心・安全性の提供や一定水準の品質維持・向上といった効果を共有できるものであり、広く社会全体に効果が発現されているものと考えております。
事業の推進に当たりましては、「北海道こんぶ製品規格」「北海道こんぶ製品の荷造標準」「北海道こんぶ製品の検査基準」に基づき実施し、これら検査の規格・基準について公開しております。
 こんぶ漁業生産者を対象として事業を進めておりますが、漁業生産者以外の者に対しても一定条件を具備した中で業務を実施しており、検査の機会としては限定的ではありますが、こんぶ製品の製造関係という範疇では一般に開かれております。
 また、検査・格付業務に当っては、受検する者と直接的な利害から独立した専任の格付員を配置して実施しており、第三者機関・独立検査機関としての位置付けになっております。

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